ファシリテーション

 前提として大体のグループワークは、参加者が目的を持って参加するので発言、学びに対して意欲的だと思います。そのため、ワーク自体は盛り上がり、サクサク進みます。しかし、一方ではメンバーが近しい目的を持っているためにワークの落としどころが予定調和的になってしまい、何か物足りない感じになることがよくある気がします。

 それにメンバーが同じようなグループに属していると、必要ない負けん気が働いてしまい、他のメンバーから学ぶことができないことも・・・

 

 ところで、本日地域活動のお手伝いで、中学生のグループワークのお手伝いをしてきました。グループワークの内容は中学生が夏休み中に参加したボランティアの振り返り、学んだことを書き出してほかのメンバーと共有したり、キャッチフレーズ作ったりしました。(素晴らしき今の中学生 市内で250名ほどの中学1~3年生がボランテイア参加したそうです!)

 経験をOutputすることは大事なことなのでとても共感できる取り組みです、とはいえ経験的にも感情的にも中学生がグループワークに取り組むのはなかなか難しく・・・

 ワークの進行の担保と、参加者の振り返りの充実の間でファシリテーターとしてどう介入すれば良いのか非常に考えされました。

 

今回グループワークで成果・学びとなるものとしては、

1、自分の考えを文章化して相手にわかるように伝える。

2、相手の発表を聞いて、学びを得る

3、他のメンバーと協力して一つのものを作る

 

1、3についてはファシリだけでなく、参加者の技量も必要なところなので回数を重ねればできるようになっていくものだと思います。しかし2については、経験を問わず、むしろ慣れてくるほど難しくなっていくような気さえします。なのでファシリテーションする上では2に向けて働きかけることが重要ではないかと。

では実際どうやって2に働きかけるかというと難しい。

今回だと大人がファシリテーターで中学生が参加者なので立場(力関係)ができてしまい、参加者が受け身になってしまう。受け身になってしまうと自ら学ぶことは難しい。(受け身同士のメンバーが互いに影響を受け、学び合うのは相当に難しいのではないかと)ファシリテーターが教科書的なことを言ってもあまり学びにはならない。

 今回のケースで言えば、参加者の発言に対して質問で深掘りすることができればよかったように思います。要は3回Whyと聞くやつです。この質問をできるだけ参加者共通のWhyでできれば、参加者に一段階内省の機会が提供できるし、自分の回答と他者の回答を比べられるので学びが深まるのではないかと思いました。実践はできなかったですが。。。

 

 中学生とのグループワークでなかなかに苦しめられたので、こんなことを思いましたが、大人同士がメンバーであっても気づかぬうちに受け身の参加になってしまっているのではないか、そのせいで芽があるのに学びとできていないことが多いのではないかと思いました。言葉の内容だけでなく、それが出てきた背景、価値観について理解していこうとすることが学び・発見に繋がるかと。そのためにはたまには空気を読まないことも必要かと。

  

あと辛かったことがもう一点

場が白ける、冷めているとつらい・・・

ただ、場づくりということで言えば、中学生は大人であるファシリの振る舞い方を見ているわけで、まずい関わり方はできなく。過去一番難易度の高いファシリテーションでした。

 願わくば今回関わった中学生に何か一つでも学びがあれば、また、グループワークについて少しでもポジテイブになってくれていればと思います。

 

本来のファシリテーションのあり方、グループワークでの学び方について学びが多い1日でした。自分自身のグループワークへの参加を見直す機会ともなりました。

オススメされていた「かかわり方のまなび方」(西村佳哲さん)を読んで勉強したいと思います。